
多くの人にとって、住宅の建て替えは一生に一度きりの経験です。高額なお金がかかるだけに、できる限り妥協せずに、満足できる家に建て替えたいものではないでしょうか。
建て替えを成功させるポイントは、たくさんの失敗例を見て学ぶことです。多くの失敗例を見て反面教師とすることで、どうすれば成功するかが自ずと明らかになります。
この記事では、建て替えの失敗例と、失敗例から学ぶ建て替えを成功させるコツを具体的に解説します。
家の建て替えで失敗しやすい間取りのポイントは?
まずは、間取りの失敗例について紹介します。
間取りで失敗しやすいポイントは、大きく分けて次の5つです。
・家事動線と生活動線が使いにくい
・収納が足りなかった
・浴室、洗面所、トイレなどの水回り
・部屋の広さが生活スタイルに合っていない
・日当たり(採光)や生活音などの環境
以下、順番に解説します。
家事動線と生活動線が使いにくい
快適な暮らしを実現するためには、家事動線と生活動線の使いやすさを考慮しなければなりません。
家事動線とは、家事をする際の動きの流れを表した線のことです。
洗濯を例にすると、洗濯してから洗濯物を物干しスペースまで運んで干すまでの動きが一つの動線を作ります。ランドリールームと物干しスペースが隣合っている間取りと、それぞれが離れている間取り(ランドリールームが1階・物干しスペースが3階など)を比較してみてください。前者の間取りの方が動線がスムーズで使いやすい間取りだと感じるのではないでしょうか。家事動線のスムーズさは、効率的で快適な暮らしに不可欠な要素です。
生活動線とは、住居内で人が生活する際の動きを表した線のことを言います。使いにくい生活動線の例は、リビングを通らなければお風呂に入れないような間取りです。このような間取りの場合、来客時に入浴しづらくなり、使いづらさを感じてしまいます。
収納が足りなかった
収納不足も後悔しやすいポイントです。収納スペースの過不足は暮らしやすさに直結します。リビング・キッチン・玄関などの生活の要所で収納スペースが不足している場合、快適な暮らしがじわじわと不便に蝕ばまれていくでしょう。
たとえば、収納が足りないと、床や棚の上など目につく場所にモノを置かざるを得なくなります。生活雑貨が目に見える場所にあふれると、住まいの印象まで雑然としてしまうでしょう。
また、お子さんがいるご家庭では特に玄関収納にはこだわりたいところです。ベビーカーやちょっとしたアウトドアグッズを置くスペースを玄関横に備えるだけでも、生活の快適度は格段に向上します。
浴室、洗面所、トイレなどの水回り
建て替えの失敗例としてよく挙げられるのが、浴室・洗面所・トイレなどの水回りに関するものです。
建て替え後に後悔しないためにも、特に水回りに関してはプライバシーに配慮した間取りになっているかどうかに配慮しなければなりません。デザインにこだわるのも大事ですが、生活に必須かつプライバシーが守られるべき場所なだけに、慎重に決めていく必要があります。
たとえば、トイレとリビングの距離が近すぎるような間取りだと、トイレを使用する際の音が気がかりで使いづらいと感じる人は多いでしょう。トイレを使用する来客にも、気まずさを感じさせてしまうかもしれません。お風呂や洗面所についても、プライバシーを最優先にして間取りを考えることをおすすめします。
部屋の広さが生活スタイルに合っていない
必要な部屋の広さを見誤った結果、建て替え後に後悔してしまう例も珍しくありません。部屋の広さを決定する際は、家族の生活スタイルを基準にすることをおすすめします。
家族がリビングで過ごす時間が長くなるのであれば、それぞれが思い思いに過ごせるだけの広さを確保するとよいでしょう。また、子供が巣立った後の生活や将来的な両親との同居を考えるなら、家族構成の変化に対応できるだけの、最低限の部屋とスペースを確保するという視点も重要です。
間取り図を考える際には家具の配置を図面上に一つずつ書き込んで、生活しやすいスペースを確保できるかどうかをチェックしながら進めましょう。
日当たり(採光)や生活音などの環境
日当たり(採光)や生活音など、環境面での失敗例も無視できません。日当たりが良すぎる家には暑さ・家具や壁紙などの日焼けといったデメリットがあります。一方で、日当たりが悪すぎる家にも家の中が暗い・洗濯物が乾きにくい・湿気がこもりやすいなどのデメリットがあります。
隣家との距離やその他周辺環境との兼ね合いでどうしても日当たりが悪くなってしまう場合は、各所に採光用の窓をつけるなど、デメリットを軽減するための工夫・アイデアを取り入れてみてください。
また、隣家との距離が近い場合や、楽器など音の出る趣味がある場合などは、騒音問題にならないように防音にも配慮した間取り・構造を採用することをおすすめします。
家の建て替えをする前に確認したい「ゾーニング」
家の建て替えを失敗しない間取りを考える際には、「ゾーニング」から考えていきます。
建築用語としての「ゾーニング」とは、用途や目的ごとに空間を区切って、生活する上でのベストな配置を決めていくことをいいます。空間の分け方としては「パブリックゾーン」「プライベートゾーン」「サービスゾーン」という3種類の区分が主流です。
パブリックゾーンとは、家族や来客との交流が生じる空間(応接室・リビングなど)を指します。パブリックゾーンを玄関近くに配置すれば、スムーズな来客案内や対応が可能になるでしょう。
プライベートゾーンは文字通り個人のプライベートな用に使う(個人の居室・書斎など)です。プライベートゾーンをパブリックゾーンと離して配置することで、プライバシー確保が容易になり、住みやすさもアップするでしょう。
最後に、サービスゾーンとはトイレ・お風呂・洗面所といった生活上不可欠の空間をいいます。生活動線と家事導線をイメージしながら、サービスゾーンの最適な配置を考えるのも失敗しない家づくりの基本です。
ゾーニングから間取りを考えて、無駄なく効率的かつ住み心地の良い家に建て替えましょう。
まとめ
住まいに対する理想は、ライフスタイルの変化と共に変わっていきます。理想の住まいを実現するためには、リフォーム・住み替え・建て替えといったさまざまな選択肢の中からベストなものを選ぶことが大切です。
家づくりに迷ったときや、より快適に過ごすためのヒントが必要なときは、ぜひサンヨーホームズにご相談ください。経験豊富な家づくりのプロだからこその、多種多様な住まいづくりのポイントをご紹介します。迷っている点・不安な点などに対して一つひとつ丁寧な解決策をご提示して、お客様に寄り添った家づくりのお手伝いをさせていただきます。
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