
共働きで家事を分担していると、家づくりをするときに「家事の負担を減らしたい」という希望を抱く方は多いでしょう。暮らしやすい住まいを実現するには、間取りを工夫する必要があります。
今回は、共働き世帯が家を建てる際に意識したい、間取りのポイントとおすすめの建築事例を紹介します。この記事を読めば、共働き世帯に適している間取りの特徴が分かり、自分たちの暮らしに合った住まいの実現に近付けるでしょう。
共働き世帯が暮らしやすくなる間取りのポイント
家事の負担を減らし、家族団らんの時間を充実させるには、自分たちの暮らし方に合った間取りを計画することが重要です。まずは、暮らしやすさにつながる以下の間取りのポイントを見ていきましょう。
・家事動線がよく効率的に家事が行える
・豊富な収納スペースがあれば片付けもしやすい
・在宅ワークや勉強スペースなどにも活用できる場所
・大空間リビングや吹き抜け…子どもの様子を見守れる空間
家事動線がよく効率的に家事が行える
共働き世帯が注文住宅を建てる際には、家の中を必要以上に移動しなくて済むよう、家事動線を良くすることが重要です。
例えば、洗濯室とウォークインクローゼットをつなげて配置すれば、乾いた洗濯物をすぐに片付けられます。キッチンとダイニングを横並びにしても良いでしょう。調理や配膳、片付けの動線が短いだけでなく、ダイニングにいる家族と会話をしやすいメリットもあります。
また、部屋同士がつながる、回遊性のある間取りにするのも方法のひとつです。ただし、とにかくひと続きにすればいいわけではありません。キッチンやパントリーといった炊事に関連する部屋、洗濯室やバルコニーといった洗濯に関連する部屋など、相性の良いものをつなげることがポイントです。
豊富な収納スペースがあれば片付けもしやすい
収納スペースを充実させることも暮らしやすさに関わります。仕事と家事を両立させるうえで、家の中が散らかっていると、ストレスの原因になる可能性もあるので、整った状態を保てる仕組みが大切です。
間取りでできる工夫としては、以下が挙げられます。
・リビングに壁面収納を設置する
・キッチンにパントリーや背面収納を設ける
・玄関にシューズインクロークや土間収納をつくる
・階段下や小上がりの床下といったデッドスペースを活用する
収納について計画する際は、現在の状況だけでなく、将来的な暮らし方の変化も見越しておくことが重要です。子どもがいる場合、成長に伴ってものが増えることは避けられません。収納は多めに計画し、状況に合わせて融通が利くようにしておくと安心できるでしょう。
在宅ワークや勉強スペースなどにも活用できる場所
自宅で仕事をする機会がある場合は、作業に集中できる場所を確保しておきたいところです。また、子どもがいる家庭であれば、勉強スペースも必要になります。
間取りの工夫としては、スキップフロアの採用やデッドスペースの活用などが挙げられます。スキップフロアは、段差を利用して空間を区切るため、開放感を保ちながら、集中しやすいスペースを作れます。
また、普段あまり使わないクローゼットや物置の中、階段下といったデッドスペースを活用する方法もあります。ただし、収納をメインに使用するのは難しくなるため、あくまで作業スペースとして考えましょう。
大空間リビングや吹き抜け…子どもの様子を見守れる空間
共働きかつ子育て中の夫婦にとって、家族が集まるリビングは大切な場所です。間取りを工夫して、子どもの様子を見守りやすい空間にすることをおすすめします。
広々とした大空間リビングであれば、家事をしながらでも会話がしやすいメリットがあります。また、間取りの自由度が高く、子どもの成長に合わせてパーテーションや間仕切り、収納家具などで空間を区切れるのも子育て中の共働き世帯にとって嬉しいポイントです。
吹き抜けを設けても良いでしょう。リビングにいても2階にいる家族の気配を感じ取りやすく、安心感があります。
共働き世帯にとって理想的な間取りのアイデア【建築事例】
間取りのポイントを押さえたら、つぎは実際にどのような家が建てられるのか、具体的にイメージしましょう。ここでは、共働き世帯に適した間取りの、建築事例を紹介します。
・吹き抜けのあるお家!スムーズな暮らしを叶える回遊型の間取り
・各個室の収納に加えてファミリークロークで大容量の収納力!
・空間を有効活用したスキップフロアはワークスペースにもなる!
吹き抜けのあるお家!スムーズな暮らしを叶える回遊型の間取り
4.5帖の広々とした吹き抜けが特徴の住まいです。リビング階段を取り入れることで、適度に家族の気配を感じられる空間に仕上げました。
共働き世帯が心地よく家事や子育てができるように、回遊型の間取りにこだわりました。玄関とキッチンをウォークスルーの納戸でつなげたり、洗濯機のある洗面所から直接入れるクローゼットを設けたりするなど、少ない移動距離で家事ができるようにしています。
#36 吹き抜けのあるお家!スムーズな暮らしを叶える回遊型の間取り
各個室の収納に加えてファミリークロークで大容量の収納力!
(奈良県 T様邸)
空間を有効活用することで、十分な収納スペースを確保しました。2階には、各個室に設けた収納以外に、ファミリークロークを導入し、家族の持ち物が1か所に収まるように工夫しています。それぞれの持ち物をまとめて管理できるため、衣替えもスムーズです。
また、1階の玄関を入ったところには、クローゼットを設置し、仕事から帰宅して脱いだ上着をすぐ掛けられるようにしています。使いやすい場所を定位置にすることで、整った状態を保ちやすくなるでしょう。
#52 各個室の収納に加えてファミリークロークで大容量の収納力!
空間を有効活用したスキップフロアはワークスペースにもなる!
(愛知県 S様邸)
柱や壁を極力なくした空間にスキップフロアを取り入れた事例です。スキップフロアには家族みんなが利用できるホームオフィスを設けました。L字型のデスクを設置し、下のスペースには細々したものを収納できます。
ワークスペースは独立しているものの、程よくLDKの様子を感じられるので、安心して作業できそうです。在宅勤務の機会のある共働き世帯に向いている間取りです。
#60 空間を有効活用したスキップフロアはワークスペースにもなる!
まとめ
今回は、共働き世帯が注文住宅を建てる際に意識したい間取りのポイントと、それを実現した建築事例をご紹介しました。日々の家事負担を軽減し、家族との時間をより豊かにするためには、家事動線の効率化、豊富な収納スペースの確保、在宅ワークや勉強にも活用できる多目的スペースの設置、そして子どもの様子を見守れる開放的なリビングや吹き抜けなどが有効です。
実際の建築事例からも、回遊型の間取りでスムーズな家事動線を実現したり、ファミリークロークで収納力を大幅にアップさせたり、スキップフロアを設けて家族みんなが使えるワークスペースを確保したりと、様々な工夫で共働き世帯の理想の暮らしが実現できることがわかります。この記事で紹介したポイントやアイデアを参考に、ぜひご自身のライフスタイルに合った、快適で暮らしやすい住まいづくりを目指してください。
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