【水害対策】水害に強い家にするために知っておきたいこと

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集中豪雨や台風の接近が引き起こす水害。近年では、ゲリラ豪雨や線状降水帯といった言葉もよく耳にするようになり、住宅への浸水被害も決して他人事とはいえなくなりました。

これから新築住宅を建てる方のなかにも、「水害に強い家」にしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、実際にどのような方法で住宅を水害から守れるのか、分からない部分も多いかもしれません。

そこで、この記事では、水害とはどのような災害なのか、住宅の水害対策にはどういった方法があるか、自分でできる水害対策、サンヨーホームズが提案する新しい水害対策など、水害に強い家を建てるために知っておきたい知識を解説します。水害に強い住宅を建てたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

そもそも水害とは?

水害とは、大雨や台風など多量の降雨によって引き起こされる災害の総称です。集中豪雨が起こす土砂災害や河川の氾濫・堤防の決壊による洪水、住宅への浸水など、広い範囲に被害をもたらし、社会生活に大きな影響を与える場合もあります。

近年では、梅雨前線の停滞や台風の接近などに伴い、想定を超える降雨量が記録されるケースが増えており、建物への浸水や道路の冠水といった洪水被害も多く発生するようになりました。水害リスクの高まりを受け、国が定めるハザードマップもこれまでの“100年~200年に1度の雨”の想定から“1000年に1度”という想定へと変更されています。

線状降水帯の発生による大規模な洪水など、水害は年々激しく大きな被害を生むようになっており、家づくりの際には、今後も注意が必要な災害といえるでしょう。

 

線状降水帯について

線状降水帯とは、強い降水をともなう雨域を指します。次々と発生した雨雲(積乱雲)が列をなし、組織化した積乱雲群がほぼ同じ場所を通過・または停滞することで作り出される状態を指します。線状降水帯がもたらす集中豪雨は、人命の危険を伴う大災害になる可能性もあるため、注意が必要です。

 

内水氾濫とは

内水氾濫とは、下水道等の排水施設の能力を超えた雨が降った時、または雨水の排水先の河川の水位が高くなった時などに雨水が排水できないことで浸水してしまう現象のことです。集中豪雨や、台風などの水害により発生するリスクがあります。

 

外水氾濫とは

外水氾濫とは、川の水が堤防から溢れる、もしくはそれより川の堤防が破堤した場合等に起こる洪水のことを指します。外水氾濫が起きると、短時間で住宅等の浸水被害が発生し、人的被害を起こす可能性があります。

 

ハザードマップとは

ハザードマップとは、浸水が予想される区域や避難場所、経路などを地図上に表したものです。水害時の被害を食い止めるために使用します。自身が住みたい地域に災害リスクがあるかどうか知りたい場合は、以下のサイトで確認できます。
ハザードマップポータルサイト

 

 

水害の起こりやすい場所

水害は地形や周辺環境によって発生しやすさが変わってくる災害です。住宅を建てる際は、次の2つのポイントから地盤が弱く、水害が起こりやすそうな場所かどうかをチェックしましょう。

 

周辺環境

水害が起こりやすそうな土地かどうかを確認する場合、周辺環境は重要なポイントです。

近くに川や池、田んぼがある場所や昔海だったところを埋め立てた場所など、水辺の近くにある土地や水辺に人工的に作られた土地は、もともと地盤が強いとはいえず、大雨の際に増水・浸水などの被害を受ける可能性があります。

 

地名

水害が起こりやすい土地は、地名からも推定が可能です。たとえば「野田」「新田」「谷津」「阿久津」のように湿地や水田に由来する地名や「和田」「別所」「須賀」のように入り江・窪地・干拓地に由来する地名などは、名前から昔付近に水辺があったとわかります。

また、「鶴」や「鷺」「亀」など水の近くに住む動物の名前や「船」「橋」「堀」といった水に関係するものの名前が付いている地名も同様に、水辺の近くに付けられている場合が多いため注意してみておきましょう。

 

新築住宅を検討されている方は、家を建てる場所を決める際にも、水害によるリスクを含めた検討を行ってみてください。もし購入を計画している土地の近くに水害の起こりやすそうな場所がある場合は、事前にハザードマップをチェックして、どの程度の被害が予想されているかを確認しておきましょう。

 

 

水害に強い家にするための対策と新提案

豪雨や台風などの被害を受けやすい日本に暮らす上で、水害を完全に避けるのは難しく、リスクを低減するのにくわえ、水害に遭った場合にも被害を最小限に抑えられる家づくりも大切です。

ここからは、水害に強い家の条件をもとにした従来の基本的な水害対策とサンヨーホームズが提案する新しい水害対策を解説します。

 

■一般的な水害対策

 

防水化(建物に水を入れない)

「防水化」は、従来行われてきた代表的な水害対策で、上建物の周囲に塀を設置したり、住宅の外壁を防水性にしたりして水の侵入を防ぐ方法です。

防水壁には、水密性が高いコンクリート壁がよく使用されており、開口部は防水性の門扉を設置して対応します。

外壁を防水にする場合は、防水塗料を塗布したり、1階部分の壁をRC(鉄筋コンクリート)造にしたりするのが一般的です。水害が起きた際は、玄関や駐車場などの開口部に止水板を使用して浸水を防止します。

どちらも建物の内部に水を侵入させないのを目的とする防水対策で、次の「嵩上化」と比べると、盛土や高床式のような大規模工事をしなくて済む点がメリットです。

 

嵩上化(浸水から避ける)

従来の一般的な水害対策としては、建物の土台や床を高くして浸水を避ける「嵩上(かさあげ)化」も挙げられます。

住宅の周囲に盛り土を行って敷地全体を高くすることで、1階部分の標高が上がるため浸水が起きた場合でも被害を最小限に抑えられ、水害対策では、特にわかりやすい方法といえるでしょう。高低差のある土地では、盛土の斜面に鉄筋コンクリート製の擁壁を設けるケースもあります。ただ、効果が高い反面、工事費用は高くなってしまう点や法律で高さ制限が設けられている場合がある点などがデメリットです。

高床方式は、住宅1階の基礎部分を高くして浸水を防止する水害対策で、建物自体を高くするところが盛土と異なります。1階部分の柱を高くして駐車場に利用する「ピロティ構造」も高床式の一例です。

 

■サンヨーホームズの水害対策

 

耐水化(浸水しても性能は維持)

最後に紹介するのは、サンヨーホームズが提案する新しい水害対策である「耐水化」です。ここまで見てきた対策は、かさ上げや防水のように建物への水の侵入を防ぐのに重点が置かれていました。サンヨーホームズの「水害対策の家」は従来の方法と違い、住宅への浸水を受け入れつつも、生活の早期復旧を目指しており、レジリエンス(しぶとさ)に優れるのが大きな特徴です。

サンヨーホームズでは、浸水の可能性が高い1階部分をRC(鉄筋コンクリート)造の打ちっぱなし仕上げで『耐水化』しつつ、2階以上は地震や台風の衝撃に耐える独自の軽量鉄骨造によるハイブリッド構造です。木造や鉄骨造と比較して、水害による住宅への被害を抑えられます。

生活空間は、水の影響を受けにくい2階部分以上に設けることで、1階部分は浸水被害を受けても、壁や床を清掃すれば早期復旧が可能です。また、家具・家電などは2階にあるため被害を受けにくく、浸水後の災害廃棄物も大幅に軽減できます。

さらに、1階部分はガレージとしてだけでなく、趣味の空間としても利用可能です。遮音性を活かして音楽を楽しんだり、RC造を利用してトレーニングスペースを作ったり、ペットと過ごせる場所にしたりと生活を豊かにする空間として、日常づかいでもさまざまなメリットをもたらしてくれます。

住宅に水を入れないのではなく、水が入ってきても被害を最小限にとどめられる設計にするのがサンヨーホームズの新しい水害対策「耐水化提案」です。従来とは異なる対策で、水害に負けない安心の住宅をご提案していきます。

 

 

今すぐにできる「水害対策」について

豪雨や台風による水害はいつ起きるかわかりません。住宅を浸水に強い造りにするのはもちろんですが、いざというときのため、自分でできる水害対策についても知っておきましょう。

今すぐできる水害対策には、主に以下の4つがあります。

 

水の侵入口を土嚢で塞ぐ

ホームセンターなどで売られている土嚢を使い、玄関など水の侵入路となる開口部を塞ぎます。土嚢は互い違いに隙間なく敷き詰めましょう。下にブルーシートを敷くとさらに効果的です。

 

下水道の側溝や雨水枡を掃除する

浸水には、外から水が流れ込む「外水氾濫」と下水道の処理能力がオーバーして水が溢れる「内水氾濫」の2種類があります。側溝や雨水枡にゴミが溜まっていると、大雨の際に、上手く水が流れず、内水氾濫につながる恐れがあるため、こまめに掃除を実施しましょう。

 

屋根や外壁は定期的にメンテナンスをする

屋根や外壁の防水性能が劣化していると、雨水が染み込んで雨漏りなどが起きるケースがあります。外壁のひび割れや屋根の破損、天窓・エアコン配管穴の劣化、雨樋の詰まりなど、異常がないか定期的に点検しましょう。

 

火災保険の「水災補償」をチェック

万一水害が起きてしまったときのため、火災保険から「水災補償」が受けられるかについても事前に確認しておいてください。

一般的な水災補償の支払条件は次の通りです。

建物または家財の時価または再調達価格の30%以上の損害

床上浸水または地盤面から45cm以上の浸水

上のいずれかを満たした場合には、保険金が支払われ、損害を補填できるようになります。

 

 

サンヨーホームズの「水害対策の家」

サンヨーホームズが提案する「水害対策の家」は、建物の1階をRC造(鉄筋コンクリート造)、2階・3階を鉄骨造で建築した住まいです。水の侵入を防ぐのではなく、水害と向き合い、浸水しても早期にもとの生活に戻れるようにして、住む人の負担を抑えられる設計にした住宅となっています。

1階のRC造は自重があるのにくわえて基礎と一体になっており、豪雨による河川の氾濫や洪水の際にも建物本体が流されにくく、水害にも持ちこたえられる構造です。

浸水した場合でも1階は早期復旧が比較的容易で、2階以上では太陽光発電システムと蓄電池、エコキュートなどの設備により、たとえ避難が行えない場合でも、自宅での生活をできる限り継続可能。もしもの際も安心して暮らせる環境が整っています。

 

 

まとめ

大雨や台風によって引き起こされる水害は、近年、被害の規模が大きくなっている災害です。日本に住んでいる限り、水害のリスクはゼロとはいえず、住宅にもきちんとした対策が求められるといえます。

サンヨーホームズでは、災害時の対策だけでなく、その後の復旧や日常での住みやすさも重視しており、災害に対して次のような考え方を提唱しています。

災害時……被害を防ぎ生命と財産を守る

災害後……いち早く回復して生活できる

日常時……1階RCや地下室を楽しめる

水害から家を守るだけでなく、浸水に遭った後もすみやかにもとの生活を取り戻せるレジリエンス(しぶとさ、強靭さ、回復力)をもった住まい。「水害対策の家」もこうした考え方から生まれました。

サンヨーホームズなら、耐水と早期復旧を目指す、従来にない新しい水害対策の住まいを提供可能です。水害に強い家を建てたいとお考えの方は、選択肢の1つとしてぜひサンヨーホームズの「水害対策の家」を検討してみてください。

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